Outer Science

永きに惑いし、我が主よ
うら深き悲しみに揺蕩う、哀れな子羊よ
ようこそ、我が欲念の正殿へ

ここは、祈りの終着点
あなたが一つ望むなら、望みは一つの未来となり
あなたが一つ願うなら、願いは一つの世界となる

悠久を彷徨いし、我が主よ
あなたに叡智を授けましょう
その御心に憐憫の情あらば、我が叡智は一つの道となり
愛する者の行く末を、照らす光となるでしょう

永きに惑いし我が主よ
あなたの願いを叶えましょう
あなたの望みを叶えましょう
あなたが望む永遠を

叶える術を授けましょう

ちいさく惨めに生きた生命が
死んではドアを叩くでしょう
小さな主は見兼ねる「嫌な話だ」

大きく拡がる 喉と胴体は
死んだ心を 溶かす様に

ゆっくり命を飲み込み
目を刳り貫く

ねぇ、君も祈っちゃたんでしょう？
僕に睨まれた時にさ

そんな悲壮精神が 大好物だ

ようこそ、我が胎内へ
愛とエゴの終着点

君もすぐに 生まれ変われる
怪物みたいで 素敵なことでしょう？

「あぁ、神様、なんで」って
「もう嫌だよ」と泣いたって

受け入れろよ これが運命だ

次の次の次の主に懸命しよう

(運命だ次の次の次の)
(運命だ)

神話も命も人の運命も
うっかり恋に落ちるのも

ひっそり蛇は笑い出す
「馬鹿な事だ」

あぁ、なんだいなんだい もう溜らないね
くすんだ心を 舐るのは

小さな命に取り付き
目を埋め込む

あぁ、君に宿っちゃったんでしょう？
目をあわせるのうりょくがさ

君がこの悲劇の「女王」なんだ

謳歌しろよ生命よ
愛とエゴの合掌祭

揺れる日々も崩れ始める
「初めの悲劇」へ足並み合わせて

「返して」と嘆いたって
「もう嫌だよ」と哭いたって

知る事かよ それが運命だ

酷く脆くちゃちなひびが正銘だろう

なんて馬鹿な生命だ
何度でも 抗って

同じひびへもどり始める
無謀に 無様に

泣いて、哭いて、啼いて、綯いて

あぁ無様な生命よ
「なんで？」だのと言う前に

求め過ぎた 罪に傅け
虚ろな奇跡が 弾けて崩れて

「もう、なんだか良いや」って
何度もただ泣いたって

終わりすらも 直に薄れる

次の次の次に来る
次の次の日を
次の次の次も 嘲笑しよう

(運命だ次の次の次の)
(運命だ)